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スイス対米関税 39%から15%へ

スイスの対米関税が15%に引き下げる方向で動いているという報道は、国際経済界に少なからぬ衝撃を与えました。背景には、米国による高関税を避ける見返りとして、2000億ドルの対米投資や農作物輸入の増加といった条件が提示されたとされます。

日本が求められた5500億ドル規模と比べれば小さく見えるものの、スイスGDP比では約20%という極めて重い数字。国の規模を考えれば、相当な負担を伴う合意内容と言えます。

しかし、スイスがこの条件を「飲まざるを得なかった」のは、スイスの主力輸出品である高級時計の最大市場が「アメリカ」だからかも知れません。

実際、時計はスイス総輸出額の約7%を占め、そのうち約17%は米国向けとされており、時計大国スイスにとってアメリカ市場はまさに生命線とも言える存在です。

このまま米国の高関税が長引けば、スイス時計産業は強烈な打撃を受けることになります。輸出の約7%は、国にとって見過ごせない数字。スイス政府が今回の通商交渉で妥協点を探ったのは、こうした「時計輸出のアメリカ依存」という背景が大きく影響していると考えられます。もちろんトランプもアメリカで時計を現地生産させる気はないでしょう。化学製品や医薬品企業に直接投資させるようです。

伝統と技術の国スイスが、国際情勢の中でどのように舵を切るのか。
東方から見守りたいと思います。

この記事の監修者

新田 役職: セールススタッフ

二十代は東京で某百貨店の時計売場に勤務。地元に戻り当時珍しかったブライトリング正規販売店のアイアイイスズに惚れ込み入社。以来、数多くの時計を見ております。時計選びに迷ったらお声掛けください!

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