皆さまこんにちは。
アイアイイスズの山口です。
先週7月20日は、人類が初めて月に降り立った日から50周年の記念すべき日でしたね。
時計業界としては、ムーンウォッチことオメガのスピードマスターがどのお店さんでもイベント等で
大いに沸いた1日だったかと思います。
気付けば山口も歴代スピードマスターが掲載された雑誌をポチっていました。
技術的にも優れたオメガですが、ここまで人を惹きつける大きな要因はやはり初めて宇宙に行った時計という
バックボーンに皆が魅了されるからなんですよね。
やっぱり技術のうえに歴史が合わさることで、刺激を受ける方って多いと思うんですが今日は久しぶりに
ヴァシュロンのオーヴァーシーズでそんな話をしたいと思います。

今、日本中で在庫が枯渇状態で物によっては半年待ちの人気モデル「オーヴァーシーズ」。
150メートル防水や耐磁性能等、頑強なスポーツウォッチでありながら、美しいケースの磨きと質感の高い
ダイヤルが高い評判を得ていますね。
オーヴァーシーズの原型「222」とジェンタデザイン
そんな今でこそ大人気のオーヴァーシーズですが、実は1970年代のクオーツショックにおいて
ブランドとしての生き残りを賭け、必死に自分達の立ち位置を作ろうとする苦しみの中で生まれた
モデルということを知る人は多くありません。
その原型は1977年にヴァシュロンが発表した「222」というモデルにあるのですが、

今のモデルと比べても「オーヴァーシーズ」の原型だとすぐに分かるデザインですね。
このケースとブレスが一体型のデザインは、1972年に発表されたオーデマ・ピゲのロイヤルオークの
影響を強く受けています。
当時、クオーツへの対抗策として、これまで存在しなかった全く新しいものを発表しようと考えた末に
生まれたロイヤルオークは、スポーティな軽さの中にもスチール時計特有のエレガントさがあり、
さらにケースとブレスを一体型にするという斬新なアイディアで、
現代においても「腕時計の歴史に一石を投じた時計」として高い評価を受けています。
(このデザインはデザイナーであるジェラルド・ジェンタの名前を取りジェンタデザインと呼ばれています)
その後も、パテック・フィリップからノーチラス、IWCからインヂュニア(いずれもジェンタのデザイン)
といったスポーツ時計が発表され、ヴァシュロンとしてもスポーティなテイストを持つ時計の発売に乗り出し
ジェンタデザインを模した「222」が誕生したというわけですね。
ちなみにオーヴァーシーズのデザイナーは、ジェンタ氏ではなく当時ジェンタ氏と同じく優れたデザイナー
として定評のあったヨルグ・イゼック氏。

出典: https://www.forbes.com/
色々と調べていると、222のデザインはジェンタ氏とヨルグ・イゼック氏のどちらがデザインを起こしたのか
というのは長年、愛好家の間で議論の対象となったようですが2007年に公式にヨルグ・イゼック氏が
デザインしたと公になり決着が着いたようですね。
その後222は、1980年代半ばまで作られ続け今となっては1970年代を代表するアイコン的存在になりました。
1996年「オーヴァーシーズの誕生」
その後スポーツ時計として成功を収めたヴァシュロンは1996年に222をよりブラッシュアップしたモデル
「オーヴァーシーズ」を発表します。

オーヴァーシーズが発表された当時ヴァシュロンは会社の買収が行われ、目まぐるしく企業としての
立ち位置が変化するなか、この時計をただのハイエンドメーカーが作ったラグジュアリースポーツウォッチ
として終わらせるのではなく、世界を飛び回る人へ向けたエレガントなトラベルウォッチとしての顔を確立する。
それこそがヴァシュロンコンスタンタンに与えられた新たな試練でした。
実は、前述したデザイナーが誰かという点もこの頃が最も議論されていたと言われており、
222やロイヤルオーク、ノーチラスが発表されたばかりの頃は、そこまでの大ヒットと言える成果を
上げていたわけでもなく、デザイナーに焦点が当たるということもなかったと言います。
ところがこのオーヴァーシーズがローンチされると、ロイヤルオークとノーチラスのデザイナーが
ジェンタ氏であることが公知されるようになり、まさにスポーツラグジュアリーとしての分野で、
オーヴァーシーズこそが世界を席巻する先駆けとなったモデルといっても過言ではありません。
2004年~2016年 オーヴァーシーズ第2世代
そんなスポーツラグジュアリーの市場をより成熟させることに成功したオーヴァーシーズは、
2004年に新たなバージョンを発表します。

第2世代のオーヴァーシーズで特筆すべきはやはりブレスレットの形状でしょう。
ブランドの象徴であるマルタ十字をかたどったその形は、時計本体により高級感を与え見た目からは
想像のつかない程の着け心地の良さを実現しました。
このデザインは長年ヴァシュロンのアイコンとして親しまれ、2016年までの12年間様々な派生モデルを
発表しながら、スポーツラグジュアリーウォッチの代表格としてファンに愛されるモデルとなりました。
そして2016年オーヴァーシーズは次のステージへ
222からここまで常に時代の移り変わりと共に、その姿を変えてきたオーヴァーシーズ。
2016年には遂に今の現行型へとリヴァンプ(改定)が行われました。


デザインチームによる第2世代からの改善点として挙がったのが、ダイアルのオープンさの拡大と
ケースフォルムをトノー型ではなくラウンド型として協調することの2点。
その為に、ベゼル幅を極限まで絞ってその下にもう1枚ラウンド型のディスクを配置しました。
さらにオーヴァーシーズの象徴であった8葉のベゼルを6葉にした点が大きなポイント。
この大胆なデザイン変更がオーヴァーシーズをより優雅で柔らかく美しいデザインへと昇華させました。
さらに新型のオーヴァーシーズでは、ブレスレットモデルにレザー・ラバーストラップが付属しており、
ユーザー自身で簡単に変えることが出来るという新たな楽しみ方を加えました。

この時計はどのストラップにしても最高ですよというヴァシュロンの意気込みを感じますね。
そんなヴァシュロンですが、モデルとしてはこのようなラインナップがあります。
<<オーヴァーシーズ ラインナップ>>
全国的に大人気のモデルとなっており日本中で在庫が枯渇状態と聞いておりますが、
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