シャフハウゼンの伝説 H.モーザーの歴史


シャフハウゼンの伝説 H.モーザー
時計産業の本場スイスでは、そのほとんどの拠点がジュネーブを代表とする西側のフランス語圏に位置します。
そんな中、唯一の例外ともいえる街がスイス北東部、ドイツとの国境沿いに位置するシャフハウゼン。この街の礎を築いたのが『H.モーザー』こと、ハインリッヒ・モーザーということはあまり知られていません。
『H.モーザー』の創始者にして有能な時計師、そして実業家であったヨハン・ハインリッヒ・モーザーの生い立ち、そして『H.モーザー』という時計ブランドをご案内いたします。
 
シャフハウゼンで生誕 〜 帝政ロシアへ

ヨハン・ハインリッヒ・モーザー(1805-1874)は、1805年12月12日にスイス東部シャフハウゼンの時計師エアハルト・モーザー(1760-1829)のもとに生まれました。

H.モーザー一家は時計製造を営んでおり、ハインリッヒ・モーザーは初代から数えて5代目の時計師でした。

1820年から1824年の間、父エアハルトから時計作りを学んだ後、当時から時計の町だったル・ロックルへ。

1826年に独立、自分の家族が二代にわたって保持してきた町の時計師の地位を受け継ぐことを切望しましたが、まだ若かった彼にシャフハウゼン町議会の許可は下りませんでした。

これを機に彼は新天地を目指すことを決意します。
この時、父エアハルトはハインリッヒにイタリアへ行くことを勧めましたが、時計の需要が高まりつつあった帝政下のロシアへ渡ります。

 

H.モーザー設立 〜 ロシアでの大きな成功

1827年11月にスイスを出発した彼は、約一か月後ロシアの芸術と文化の中心地であるサンクト・ペテルブルグに到着。

幾つかの時計店で経験を積んだ後、翌1828年自らの名を冠した貿易会社「H.モーザー&Co.」を設立し、サンクト・ペテルブルグ随一の繁華街ネフスキー通りに店を開きました。
そして翌1829年にはル・ロックルに直営工場を設立。

これにより高品質な時計の安定供給が実現し、サンクト・ペテルブルグ、モスクワ、ニジニ・ノヴゴロド、キーエフにあった自分の店に加え、ロシア帝国内とシルクロード沿いに設けられた独自の代理店網を拡大。
欧米のみならずペルシャや中国、日本と販路を拡大し、設立からわずか15年ほどで大きな成功を収めました。

この当時のロシアでのH.モーザーの名は凄まじく、「H.モーザーの偽物に注意!」と言った広告が出されるほどでした。

 

故郷シャフハウゼンへ〜故郷の復興

大きな成功で財を成したハインリッヒはロシアの事業をパートナーに任せ、ル・ロックルで名誉市民に称された後、1848年の終わりに家族と共に故郷シャフハウゼンへ戻ります。

当時のシャフハウゼンは貧困と未開で困窮しており、ライン川鉄道や蒸気船会社のスイス産業社会の共同創業者となった彼は産業振興に力を注ぎました。

彼はシャフハウゼンの主要人物であり、ライン川の豊富な水量に着目して水力発電ダムを建設。
ダムは1866年4月9日に完成し、シャフハウゼン地域の工業化の礎となりました。

今日ではモーザー通りやモーザー公園など、彼の名を冠した幾多の地名が、今もその業績を秘やかに語り継いでいます。

 

生涯に50万台近くの時計を販売〜ブランド休眠へ

1874年にハインリッヒ・モーザーが亡くなると、夫人はル・ロックルの工房の経営権をポール・ジラールに、ロシアの会社をオクターブ・メイランの協力者であったコーネリウス・ウィンターハルターに譲りました。

しかし1917年に起こった十月革命を受け、財産が没収されます。ロシアのH.モーザーは活動を停止、その後国有化されました。
それまでオクターブ・メイランはH.モーザーのロシアでの事業に携わっていましたが、彼もまた十月革命をうけてル・サンティエへ帰っています。
そしてル・ロックルの時計工場もクォーツショックの煽りを受け1979年ディキシ・グループにより解散し、H.モーザーというブランドは一旦休眠します。

 

新生H.モーザーの誕生
時代は変わって現代へ。

IWCの技術部長であったユルゲン・ランゲ博士は在席中にH.モーザーのことを知り、ハインリッヒ・モーザーの曽孫にあたるロジャー・ニコラス・バルジガーと共にブランドを再建。

2002年にユルゲン・ランゲ博士ら有志によってH.モーザーはその名が再び国際登録されました。
2005年のバーゼルワールドでは業界唯一と言って良いほど特殊な永久カレンダーを搭載した「モーザー パーペチュアル1」を発表。このパーペチュアルカレンダーやムーンフェイズの開発には独立時計師として有名なアンドレアス・ストレーラーも参加していました。2007年にはヒゲゼンマイの自社一貫生産ラインを完成させ、二重のヒゲゼンマイで非常に安定した精度を誇る「シュトラウマン・ダブルヘアスプリング・エスケープメント」を発表。

どこの資本にも属さず、またヒゲゼンマイを自社製造できる特別なブランドです。

ところが当時のH.モーザーは高すぎる生産コストや開発費などで赤字が続き、ブランドの存続が危うい状況にありました。
この流れをうけ2012年より、かつてオーデマ・ピゲの代表も努めたアンリ・メイラン氏がCEOのMELBホールディングスがH.モーザーの経営に携わっています。

 

現CEOはエドゥアルド・メイラン氏

彼はその名からわかるようにジュウ渓谷の名門時計一族の出身であり、先述のオクターブ・メイランの曽孫です。

彼はマユ、ノマードと以前のコレクションを統合し、ベンチャーやパイオニアと言った新しいコレクションを追加しました。

高い技術力と開発力を維持し、またヒゲゼンマイすら製造できる完全なマニュファクチュールであるH.モーザー。

現在の年間製造本数はわずか1000本代という、とても希少性の高いタイムピースを送り出しています。
またサプライヤーとしての顔も持ち、自社製造のヒゲゼンマイは各ブランドへ提供されています。

これら新生H.モーザーのタイムピースは独創的な機構と高い精度、美しくシンプルなデザインで時計愛好家の支持を獲得し、現在では高級時計の新たな指標となっています。

 

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三崎

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                H.モーザー ベンチャー スモールセコンド ファンキーブルーXL


                時計誌やファッション誌で紹介されることが多くなり、ここ最近お問い合わせが増えてきたH.モーザー。

                写真はH.モーザーのベンチャー スモールセコンド ファンキーブルー XLです。

                ケースサイズは43mmなのですが、モデルさんに着けてもらうととても似合っていて、新しい弊社カタログの扉絵にもなりました。

                晴れた屋外での撮影で、太陽の光を浴びて濃くなったり淡くなったり変化するフュメダイヤルはとても美しかったです。

                現在のH.モーザーのクラシックなコレクションは「ベンチャー」と「エンデバー」。

                以前はマユとモナードというコレクションが存在していて、これはケースの形などを含めて現在のエンデバーへ引き継がれました。


                H.MOSER&CIE / H.モーザー
                Ref. 2327-0203
                ベンチャー スモールセコンド ファンキーブルー XL
                ¥2,646,000(税込)

                ベンチャーは新しく生まれ変わった新生H.モーザーから始まっています。
                ドーム型の風防に細いラグという今のH.モーザーを表現したコレクションです。

                とても美しいモデルなので、一度店頭でご覧になってください。

                次回はH.モーザーの歴史についてご案内いたします。

                 

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                三崎

                 

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                              H.モーザー入荷情報


                              美しい時計が入荷しました。
                              国内最後のAlp Watchです。

                              H.モーザー アルプォッチ

                              このアルプウォッチ、発表された時に大きな反響があったのでご存知の方もいらっしゃると思います。
                              時計雑誌はもちろんですが、ファッション誌やガジェット誌でかなり出てましたもんね。

                              何が凄いか、ってそりゃぁアップルウォッチのパロディで作ったものですが、ここまで似て非なるものだと想像の斜め上で見てて楽しいです。

                              「スイス アルプ ウォッチでは、電話をかけたり、メッセージを送ったりすることはできません。美しいスケッチを送信したり、心拍数を共有することもできません。何よりも重要なのは、アップデートする必要なく、いつの日か自分の子供たちに引き継ぐことができるという点です」

                              alp-watch2

                              サファイヤクリスタルの感じとか、フュメダイヤルの雰囲気とか、時計好きに見ていただきたい仕上がりになってます。

                              最後のアルプウォッチ、ぜひ店頭でご覧ください。

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                                            H.モーザー新入荷


                                            343.506-016
                                            343.506-016

                                            本日入荷したのはH.モーザーのエンデバー センターセコンド。
                                            ref.343.506-016

                                            もう廃盤になってしまったモデルですが、これは非常にお宝な時計です。

                                            まずダブルヘアスプリング。
                                            現行モデルでダブルヘアスプリングを搭載しているのはトゥールビヨン等の複雑時計だけです。

                                            ダイヤルはグレーフュメ。
                                            H.モーザーの代名詞とも言えるフュメダイヤル。
                                            光の当たり加減で全然違う顔になります。

                                            ケースのサイズ感じが素晴らしく、40.8mmなので非常に使い易いです。
                                            それにパラジウムケース自体が廃盤になってしまいました。

                                            7日間というロングパワーリザーブで他の時計と組み合わせて使う時も便利ですよね。

                                            シャトンの入ったムーブメントも非常に綺麗ですし、非の打ち所が無いと言っても過言ではありません。
                                            もうこんな時計は出てこないと思うので、時計好きな方に是非オススメです。

                                            ちなみに革ベルトは写真の黒アリゲーターではなくて、スエードのブラウンが付いています。

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